フリーランスになるとき知っておきたい開業届の手続きとメリット
「開業届って出さないといけないの?」
フリーランスとして活動を始めるとき、「開業届」という言葉を耳にしたことがある方も多いと思います。「出さなくても仕事はできるんじゃないの?」と思うかもしれませんが、実は開業届を出すことで、節税・信用力・将来への備えという3つの面で大きなメリットが生まれます。
この記事では、開業届の基本から提出方法、出すことで得られるメリットまでをわかりやすく解説します。
この記事を読むとわかること:
- 開業届とは何か・出す必要があるか
- 開業届を出すことで得られる3つのメリット
- 開業届の提出手順(税務署・オンライン・郵送)
- 青色申告申請書と合わせて出すべき理由
開業届とは?出さないとどうなる?
開業届の正式名称は「個人事業の開業・廃業等届出書」です。個人で事業を始めた際に、税務署に「事業を始めましたよ」と届け出る書類です。
法律上は、事業を開始した日から1ヶ月以内に提出することになっています(全国一律・所得税法第229条)。
提出しなくても罰則はありません。ただし、出さないことで損をする場面があるので、独立したら早めに提出することをおすすめします。
退職直後に出す場合は「失業給付」に注意
会社を退職してすぐに開業届を提出すると、「事業を開始した」と見なされ、雇用保険の失業給付が受けられなくなる可能性があります。失業給付を受ける予定がある方は、給付を受け終わってから開業届を出しましょう。
開業届を出す3つのメリット
メリット①:青色申告ができるようになる(最大65万円の節税)
開業届を提出した上で「青色申告承認申請書」も税務署に出すと、青色申告が使えるようになります。
青色申告の最大のメリットは「最大65万円の特別控除」です。この控除によって課税所得が大幅に下がり、所得税・住民税合わせて数十万円単位の節税につながることもあります。
フリーランスとして継続的に活動するなら、開業届と青色申告申請書はセットで提出するのが鉄則です。
メリット②:屋号を持つことができる
屋号とは、事業の名称です。
法人に会社名があるように、個人には屋号をつけることが可能です。
屋号の活用には、事業内容を覚えてもらいやすくなったり、社会的な信用を得やすくなるメリットがあります。
メリット③:開業初年度から小規模企業共済に加入できる
「小規模企業共済」は、個人事業主向けの退職金積み立て制度です。毎月の掛金が全額所得控除になり、節税しながら将来に備えられます。
加入には開業届の控えが必要なので、開業届を出しておくことが前提です。
開業届の提出方法
事前に準備するもの
- マイナンバーカード(または顔写真入り本人確認書類+マイナンバー通知書)
方法①:税務署の窓口で提出する
- 自分の住所を管轄する税務署に行く(国税庁サイトで「税務署の所在地」を検索できます)
- 窓口で「個人事業の開業届出書」を受け取る
- 開業日・屋号・事業の概要・マイナンバーなどを記入する
- マイナンバーカードと一緒に窓口へ提出する
控えも忘れずにもらっておきましょう(小規模企業共済の加入などに使います)。
方法②:オンライン(e-Tax)または郵送で提出する
オンライン(e-Tax):
- 国税庁の「e-Tax」にアクセスして書類を作成
- マイナンバーカードと対応カードリーダーがあれば、そのまま送信可能
郵送:
- 国税庁ホームページからPDFをダウンロード・印刷
- 必要事項を記入し、マイナンバーカードのコピーを添付
- 所轄の税務署宛に郵送(控えを返送してもらう場合は返信用封筒も同封)
開業届と一緒に出しておきたい書類
開業届だけ提出して青色申告申請書を忘れるケースが多いです。以下の書類もセットで提出することをおすすめします。
| 書類名 | 提出先 | 提出期限 |
|---|---|---|
| 個人事業の開業・廃業等届出書(開業届) | 税務署 | 開業日から1ヶ月以内 |
| 所得税の青色申告承認申請書 | 税務署 | 開業日から2ヶ月以内 |
| 青色事業専従者給与に関する届出書 | 税務署 | 家族に給与を支払う場合 |
最初にやるべき3つのこと
- 国税庁サイトで所轄の税務署を確認する
- 開業届と青色申告承認申請書を同日に提出する
- 開業届の控えを保管しておく(小規模企業共済・銀行口座開設に必要)
「書き方がわからない」「何を記入すればいい?」という場合は、税務署の窓口で相談すると丁寧に教えてもらえます。フリーランスへの独立を考えている方は、HUBキャリアのキャリアアドバイザーへの相談も併用してみてください。
まとめ
- 開業届は提出しなくても罰則はないが、出すことで大きなメリットがある
- 最大のメリットは「青色申告ができて最大65万円の特別控除が受けられる」こと
- 提出期限は開業日から1ヶ月以内(全国一律)
- 青色申告承認申請書もセットで提出するのが鉄則
- 会社を辞めた直後は失業給付との兼ね合いに注意
※ 制度の内容は変更される可能性があります。最新情報は国税庁ウェブサイトや税務署にご確認ください。
よくある質問
Q. 開業届を出さないとどうなりますか?
罰則はありませんが、青色申告ができなくなり最大65万円の節税メリットが受けられません。また屋号での銀行口座開設や補助金申請の際に必要になる場合もあります。
Q. 開業届はいつ出せばいいですか?
原則として事業開始から1ヶ月以内とされています。遅れても罰則はありませんが、青色申告承認申請書は「開業から2ヶ月以内」が期限のため、開業届と同時に提出するのがおすすめです。
Q. 副業でフリーランスをしている場合も開業届は必要ですか?
義務ではありませんが、継続的に事業収入がある場合は出しておくことをおすすめします。年間20万円以上の副業収入があれば確定申告が必要になり、開業届があれば青色申告の節税メリットが受けられます。
Q. 開業届の「屋号」は必ず決めなければいけませんか?
空欄でも提出できます。後から変更・追加もできるので、最初は個人名で活動しながら、ビジネスが軌道に乗ったタイミングで屋号を決めても問題ありません。


